甘納豆は好きですか?
私はおじいちゃんおばあちゃんの家に行くと甘納豆があり、私の両親も好んで食べていたので、たまに無性に食べたくなります。
先日、甘納豆を買ってきたときに息子が言いました。
「納豆?!」
「甘い納豆なの???」
「納豆と何が違うの?」
その問いに、納豆じゃないということしか言えませんでした。
納豆菌はついていないと思うのですが、ではなぜ「納豆」という名前がついているのか調べてみることにしました。
さらにぬれ納豆についても調べてみました。
甘納豆と納豆の違いについて

まず「甘納豆」と「納豆」は名称が似ているだけで全く別の食べものです。
甘納豆とは、小豆やえんどう豆などの豆類や、栗、サツマイモなどを砂糖で甘く煮て、さらに砂糖をまぶして乾燥させて作る和菓子です。
納豆とは、蒸した大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品です。
全国納豆協同組合連合会では「納豆」の定義を以下のように記しています。
【蒸し大豆を納豆菌で発酵させたもので無塩。撹拌によって白濁し、特異の粘性物質が確認できるもの】
一般的に糸引き納豆のことをさします。
材料からして全く違うことが分かりました。
ではなぜ「納豆」という名前がついたのでしょうか!
納豆菌がないなら納豆じゃない!なぜ甘納豆?

詳しく調べてみると、甘納豆の「納豆」は、現在の「糸引き納豆」からきているのではないことが分かりました。
古来より京都に伝わる「大徳寺納豆」や、静岡県浜松地方に伝わる「浜名納豆」といって、納豆菌ではなく麹菌で発酵させ、乾燥後に塩水で熟成させ、また乾燥させるという、当時は酒肴やお茶請けとして用いていた「塩辛納豆」というものがありました。
関東では、現在の「日本橋榮太樓総本舗」の和菓子屋の3代目 細田安兵衛氏が、大角豆と飴を工夫して、安くて美味しい菓子はないものかと苦労して開発した。
その見た目が塩辛納豆に似ていることから、「浜名納豆」の名産を真似て「甘名納糖」としたそうです。
その後「甘名納糖」が省略され、戦後には「甘納豆」となったようです。
関西の甘納豆の広がりはまた違っている

甘納豆の老舗である「岡女堂」の創業者 大谷彦平氏が、京都の本能寺の門前で、ぜんざい屋さんを営んでいました。
そのぜんざいに火を掛けすぎ、偶然に甘納豆を発見したのだそうです。
そして京都の名産の「大徳寺納豆」から「甘納豆」と名付け、その後宮内庁御用達となったとされています。
関西では戦前から広く甘納豆として親しまれていたようです。
由来は関東と関西と異なりますが、創製年代はほぼ同じなんだそうです。
現在では、ぬれ納豆なども出ていますね。
ぬれ納豆とは?甘納豆との違いについて
ぬれ納豆は、ぬれ甘納豆ともいいます。
製法は、小豆を砂糖で甘く煮る、という課程は甘納豆と同じですが、その後砂糖はまぶしません。
<甘納豆との違い>
・照りがある
・甘さ控えめ
・生菓子なので日持ちしない
・食感が柔らか
今のところ、ぬれ納豆は小豆が中心ですね。
ほかの豆類があるなら食べてみたいですね。
甘納豆まとめ
以上、「甘納豆と納豆の違いは?納豆菌ついてないなら納豆じゃない?ぬれ納豆も調査!」についてお届けしました。
古来には塩辛納豆というものがあったんですね。
甘納豆の納豆はそこからきていたとは驚きでした。
徳川家が好んだと言われる「浜名納豆」と「大徳寺納豆」▼
とてもコクがあり梅昆布のような味わい。
お茶漬けやお酒の肴、お味噌汁、そのまま食べても美味しそうです。
発酵食品なのでお腹にも優しいのがいいですね。▼


