前回、子供の問題行動は居場所を確保したいがため子供なりの適応能力だよというお話しをしました。
今回は、普段、親が子供にどんな注目を与えているだろう?どんな関心を示しているだろう?それによって子供の行動も変わってくるということと、子供の問題行動について親の対応はどうすればいいのかアドラー子育ての考え方でお伝えしたいと思います。
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関心の示し方で子供も変わる!
普段子供にどんな注目を与えているのか、どんな関心を示しているのかで子供の行動も変わってきます。
関心の示し方、注目の与え方は、主に以下の3つです。
1.子供の行動にプラスの感情で関心を示す
子供の行動に対して、親がプラスの感情で関心を示します。
プラスの感情とは、嬉しい・楽しい・幸せ・気持ちいい・心地いいなどです。
プラスの感情で関心を示すというのは、子供が「親は私の仲間だ」「私には能力があるんだ」と感じるような声かけや見守りのことをいいます。
例えば、「あなたのおかげで助かった」「努力したんだね」などの声かけ。
2.マイナスの感情で関心を示す
プラス感情とは反対に、マイナスの感情で関心を示します。
マイナスの感情とは、怒り・イライラ・不安などです。
マイナスの感情で関心を示すというのは、「ダメって言ってるでしょ!」「なにやってるの!」など禁止や命令や処罰の言葉を掛けること。
こういう言葉を掛けると、子供は、「親は私の仲間じゃない」「私は能力がないな」と感じるかもしれません。
それでも子供は、「親は私に関心を示してくれている」という認識でいます。
自分自身の感情が今マイナスの感情なのか、プラスの感情なのか意識してみるのが大切。
マイナスの感情がある場合も、プラスの感情がある場合も、感情はそのまま子供に伝わります。
たとえ言葉遣いを優しくしても、マイナスの感情があればそれはそのまま伝わります。
マイナスの感情が出たら、プラスの感情がないか、もしくは代わりの言葉はないか考えてみます。
思いつかない場合、マイナスの感情のまま言葉をぶつけるより黙っているほうがマシです。
3.無関心
無関心というのは、プラスの感情でもマイナスの感情でも関心を示してくれないこと。
つまり無視です。
子供にとって「無視」はなによりも一番つらいこと。
無視は子供だけでなく人間にとって最もつらい体験ですよね。
子供は無視されるくらいなら、問題行動を起こしてでも親の関心を引こうとします。
これで、関心の示し方、注目の与え方の3つを紹介しました。
子供が、「親は私の仲間だ」「私には能力があるんだ」と感じれば、いい行動が増えると思います。
「親は仲間じゃない」「親は敵だ」と思っていると、親がどんなに良いことを言っていても、「敵の言うことは聞きたくない!」と思うので、子供が困ったことになったとき、親は子供のことを援助することが出来なくなってしまいます。
だから、マイナスの感情でものを言うのをやめる努力が必要になります。
マイナスの感情でものを言うのをやめるためには、自分自身が落ち着かないといけません。
「心を落ち着けてきます」と一言掛けて、別の場所に行って心を落ち着かせるのもいいと思います。
だからといってマイナスの感情を無くす努力をしなければいけないわけではありません。
マイナスの感情で言うのはやめたほうがいいですよといっています。
マイナスの感情が無くなることはありません。
マイナスの感情は大切な感情で、自分自身の内側に目を向ける大切な気づきになります。
マイナスの感情との向き合い方については、いつか記事を書きたいと思っています。
さて、親の関心の示し方で、子供の行動が変わってくるのは分かりました。
次に、じゃあ具体的に親はどうすればいいのかについてです。
子供の問題行動!親の対応はどうすればいいのか
子供の問題行動はそうそう治まるものではありません。
そんなとき具体的に親はどう対応すればいいのか?
以下の①~③を参考にやってみます。
②と③は同時に行います!
①問題行動を観察する
まずは、その問題行動が起こっているときに、以下の3つをチェックしながら、子供の行動を観察してみます。
1:どんな時に問題行動をしますか?
2:そのとき親はどんな対応をしていましたか?
3:その対応の効果はあった?
子供が問題行動をするとき、親がいつも同じ対応をしているとして、それでも繰り返されているということは、その対応では効果が無いんだと気づくことができます。
そしてその対応ではなく違う対応(次の②と③)を考えてみます。
②問題行動には注目しない
次に、子供の問題行動には注目しないで見守って観察します。
親は、怒鳴ってないけどマイナス感情が内側にある場合、子供に伝わってそれが注目となりますので、その場を離れるなどの工夫が必要です!
③普段の生活のなかで声かけをする
子供の問題行動以外で、普段の生活のなかで「適切な行動は何かな?」と考えて探してみます。
そしてそこに声掛けをします。
適切な行動とは、例えば
・話しを聞いてくれた時 → 聞いてくれてありがとう
・頼みごとをしてやってくれた時 → やってくれてありがとう。うれしいよ。
・やってほしいことを言えた時 → 言ってくれるとよく分かるね。言ってくれて嬉しい。
・楽しそうにしている時 → 楽しそうな姿を見てるとお母さんも楽しいよ。
こういう「当たり前」のことにとにかく声を掛けます。
子供は親の注目がないと生きていけません。
注目や関心を示してくれないと、どうにかして注目を集めようとします。
そして普段、怒ったり注意したりをたくさんしている場合、その注目をやめたとしたら、やめた分を含めた量のいい注目が必要になります。
普段の子供の行動を意識して観察していると、たくさんいい行動や当たりまえの行動をしていると思うのでそこに声を掛けてみます。
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もし親子関係が良好であれば、問題行動の代わりになる「いい行動は何か?」を子供と一緒に考えることもできます。
それには、親がマイナスの感情を持たずに子供と話し合います。
適切な行動への声かけ
人は悪い側面が目につきやすいものです。
意識していい面に目を向けて探す努力が必要になります。
そしてその適切な行動へ声を掛けます。
以下のようなところを意識して見つけていきます。
●問題行動だと思って見ていると悪いところしか目に入りませんが、問題行動の中にも必ず良い側面があるはずだと思って、そこに注目します。
●子供の短所を指摘するのではなく、長所に焦点をあてて注目します。
●結果よりも、努力したプロセスに焦点をあてて注目します。
●子供は毎日成長しています。親が望むような出来栄えでなくても確実に成長しているのでそこに注目します。
●ほかの子と比較しても意味がありません。その子はその子のやり方で生きていくのを応援したいです。
●どんな子であっても、何があったとしても子供の味方でいたいものです。親子は仲間です。
まとめ
以上で「子供の問題行動!親の対応は?どうすればいいのかについて」についてお伝えしました。
人の行動はつねに周りの影響を受けているように子供も親も同じです。
親と子はお互い影響しあって暮らしています。
親にしてみたら、「いつも注意しているのに、全然良くならない」と思っているものでも、実は、何度も何度も注意しているから子供の問題行動は続いているのかもしれません。
まずは親が変わる努力が必要なんだと思います。
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